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日本政府、「環境白書(2021年版)」を閣議決定 ~ 持続可能な食スタイルの一つとして「代替肉」を推奨

日本政府が6月8日に閣議決定した「環境白書(2021年版)」において、脱炭素に向けた持続可能な食スタイルの一つとして「代替肉」が初めて取り上げられました。

白書の第3章では、「一人一人のライフスタイルが持続可能な形に変革されていく必要がある」と呼びかけた上で、衣食住それぞれの分野において環境にやさしいライフスタイルのあり方について述べています。
特に食分野については、「食における環境負荷を意識することも重要」、「食と気候変動問題が密接に関係」とした上で、食のカーボンフットプリントについての説明の中で「肉類は少ない消費量に対して、全体の約1/4を占めるほどの高い温室効果ガス排出単位となっています」と指摘しています。
その上で、「食の一つの選択肢」として「代替肉」を写真入りで紹介しています。

環境白書は、昨年版で初めて「肉類による高い環境負荷」に言及していましたが、今回はそれに加え、「代替肉が脱炭素に向けた食の選択肢の一つである」旨の内容を追加することで、より具体的かつ提言的な姿勢を示しています。
周知の通り、白書は閣議決定を経た政府公式文書です。
今回の環境白書は、いわば「日本政府が、畜肉による環境への多大な影響を認めた上で、(肉・魚・野菜等の栄養バランスを考慮すべきという留保はあるものの、)より環境負荷の少ない代替肉を摂取することが環境保全につながるとの認識を示した」ということであり、我が国の環境行政や食糧行政において大きな分岐点と位置づけられるでしょう。

世界の趨勢に鑑み「遅きに失した感」はありますが、これまで菜食の普及に取り組んできた各団体・個人・事業者にとっても非常に勇気づけられるものとなりました。
しかし、大事なことは「言葉」ではなく「実践」です。
日本政府が今回示した認識を今後の政策においてどのように具体化させていくのか、引き続き注視していきたいと思います。

【参考①】2021年「環境白書」全文:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/
【参考②】小泉環境大臣FB:https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=5490281811042939&id=481606878577149